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「日本をダメにした10の裁判」(日本経済新聞出版社)  ( 司法のあり方   ) 2010/02/09
見出しの本は,昨年の2月頃,1日で読んだのですが,なぜか今年も2月になるとまた読みたくなり,早起きして朝5時~6時に風呂に浸かりながら,また読みました。
「はしがき」がいい。
『だれしも社会である程度揉まれると,いろいろの社会の不正義が見えてくる。表層的でわかりやすい不正義であれば,すぐにテレビや週刊誌などのメディアが取り上げてくれるし,世間の関心も集めやすい。しかし,こうした表層的な出来事の水面下に,世の中から注目されることもない,または一時的に世の中の関心は集めたもののすっかり忘れさられてしまった,過去の裁判が横たわっている。そしてそれらの裁判の中には不正義を助長し,慢性化させる温床となっているものもある。であれば,社会の不正義を少しでも改めていくためには,こうした裁判を一つずつ,探り出し,可視化し,問題提起していく作業が不可欠ではないか』
著者は,元検事の弁護士,企業法務弁護士,官僚の,中堅。最前線の実務家の書いた文章は,生きて実感がこもっている。
私が今朝あらためて共感を持って,改めるべき判決として確認した1つを紹介します。

1)公務員がその職務を行うに付き行った行為について民法上の責任を問えないとした,最高裁昭和53年10月20日判決。 

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/7FD06BBDBB255E9049256A850031204D.pdf

「所論は、国家賠償法一条は、違法行為が公務員の故意又は重過失による場合は、加害公務員個人に対して損害の賠償を請求することを妨げない趣旨と解すべきであるから、本件において検察官が個人責任を負うべき筋合でないことは国家賠償法の法意に照らし明らかである旨の原判決の判断は同法一条の解釈を誤つたものであり、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違背である、というのである。
  しかし、公権力の行使に当たる国の公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を与えた場合には、国がその被害者に対して賠償の責に任ずるのであつて、公務員個人はその責を負わないものと解すべきことは、当裁判所の判例とするところである(最高裁判所昭和二八年(オ)第六二五号同三〇年四月一九日第三小法廷判決・民集九巻五号五三四頁、最高裁判所昭和四六年(オ)第六六五号同四七年三月二一日第三小法廷判決・裁判集民事一〇五号三〇九頁等)。したがつて、右と同旨の見解に立つて上告人らの被上告人B1、同B2、同B3に対する本訴請求を排斥した原審の判断は相当であつて、原判決には、国家賠償法一条の解釈について所論の違法はない。論旨は、独自の見解に基づいて原判決を論難するものであつて、採用することができない。」
このような判決は,なによりも公務員の職場を腐らせる。無責任にする。市民の目線で働こうとする気風を阻害する。
 


もしあなたが弁護士か,裁判官か,検察官なら,2時間で読めます。

<平田元秀wrote>