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本日の一節(非嫡出子相続分違憲決定に関連する山崎友也・判時論文より)  ( 司法のあり方   ) 2020/01/23

今日の一節

私の読んだ記事の一節で印象に残るものを切り取って紹介します。


 本稿筆者が「統治構造において司法権が果たすべき役割」として期待するのは、奇をてらった勇ましい法解釈・事件解決をすることではない。丁寧な事実認定の下、論理的に行き届いた理由付けを施した結論を出してくれれば、それで十分である。しかし、憲法に関わる近時の最高裁判例の中には、本決定*以外にも、理由付けが荒っぽい、やや底が抜け始めている感の否めないものがある。本稿筆者が気になった判例をほんの数例挙げると、NHK受信料制度を合憲とした大法廷判決、国歌斉唱の際に起立を拒否した教員の再雇用拒否を合法とした第一小法廷判決、いわゆる「大崎事件」の再審開始請求を棄却した第一小法廷決定がそれである。特に後二者は、下級審の判断の蓄積を覆すに足りる内容を有しているか、最後者は、さらに、決定に至る手続上の配慮を十分になしたか、かなりの不安を掻き立てるものになっている。今後の最高裁判例がよりマシな展開をみせてくれることを祈って、擱筆することにしたい。

* 本決定:最大決平25・9・4民集67巻6号1320号


山崎友也・「統治構造において司法権が果たすべき役割 第2部【第5回】憲法判例における論証作法と学説の『使命』-非嫡出子相続分違憲決定・その後)」判例時報2426号123頁