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それは罪になるとの誤った評価を押しつけて虚偽の自白を取得した検察官の取調べは違法(名古屋地裁平成22年2月5日判決)  ( 刑事弁護   ) 2010/09/26
名古屋地裁平成22年2月5日判決(平成19年(ワ)第3946号)

【要旨】
愛知県青少年保護育成条例違反の罪(いわゆる淫行処罰規定)により逮捕・勾留・公訴提起され,その後,無罪判決が確定した事案で
① 司法警察員の逮捕状請求及び逮捕状に基づく逮捕の違法性を肯定
② 犯罪の成否について誤った前提に立って虚偽の自白を取得した検察官の取調べ等の違法性を肯定
③ 検察官の公訴提起の違法性を肯定
した事例

以下,判旨を引用します。

(事案の概要)
 本件は,当時17歳の青少年であったA子と性行為をしたことについて,下記の愛知県青少年保護育成条例違反の罪により逮捕,勾留,公訴提起され,その後,本件被告事件において無罪判決が確定した原告が,被告愛知県所属の警察官が違法な逮捕状請求等をし,被告国所属の検察官が違法な勾留請求,公訴提起等をしたとして,被告県及び被告国に対し,国家賠償法1条1項に基づき,連帯して,慰謝料500万円及びこれに対する不法行為後の平成19年6月7日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
         記
第3 当裁判所の判断
 1 「いん行」の意義について
  (1) …「いん行」の意義については,最高裁判所昭和60年10月23日大法廷判決・刑集39巻6号413頁(以下「昭和60年大法廷判決」という。)が,福岡県青少年保護育成条例10条1項,16条1項について,判断をしているところである。…
  (2) 昭和60年大法廷判決について
   ア 昭和60年大法廷判決は,…,同条例10条1項の規定における「淫行」とは,「広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきではなく」,①「青少年を誘惑し,威迫し,欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為」のほか,②「青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為をいうものと解するのが相当である」と判示している(以下,①②をそれぞれ「第1形態の性行為」,「第2形態の性行為」ということがある。)。

   ウ そして,昭和60年大法廷判決は,当該事件における被告人の行為が第2形態の性行為に該当すると判断するに当たり,被告人と少女の「当時における両者のそれぞれの年齢,性交渉に至る経緯,その他両者間の付合いの態様等の諸事情」を具体的判断要素としてあげている。

  (3) 第2形態の性行為について
   ア 上記(2)によると,昭和60年大法廷判決における第2形態の性行為に該当するためには,「結婚を前提としない性行為」(以下,結婚する意思を前提としないことを意味し,結婚の約束をしているか否かは問わない趣旨で用いる。)であることが必要であり,結婚する意思の有無は,結婚する意思があれば淫行には該当しないという意味で重要な事実であるものの,結婚する意思がなければ直ちに「淫行」に該当するものではなく,昭和60年大法廷判決が具体的判断要素としてあげている,当時における両者のそれぞれの年齢,性交渉に至る経緯,その他両者間の付合いの態様等の諸事情を考慮して,健全な常識を有する一般社会人の立場から,「青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められない」か否かを判断する必要があることは明らかである。

     そうすると,第2形態の性行為については,…昭和60年大法廷判決は,当該規定にいう淫行の意義を明確にする限定解釈をすることによりはじめて合憲としていることに留意しなければならない。

   エ したがって,…,捜査機関は,逮捕状の請求等に当たっては,第2形態の性行為に該当するか否かについて,昭和60年大法廷判決により具体的に定義された要件についての正確な理解を前提に,当該行為が当罰性のある行為か否か,具体的事実への適用について抑制的で慎重な姿勢が求められるものであり,昭和60年大法廷判決が具体的判断要素としてあげている諸事実について,必要な捜査を怠ることなく,十分な資料を収集した上で判断を行わなければならないものというべきである。
 2 本件被疑事件・本件被告事件における嫌疑について

  (2) 以上によると,本件性行為時に,A子は既に17歳9か月であり,あと3か月を待たずに18歳になること,A子は,原告と性行為を持つより前に,性行為の経験を有していたこと,A子が,原告に対し,様々な悩みを話したり相談したりし,自然に惹かれていくようになって,原告とA子は交際に至ったこと,はじめての性行為に至るまでに,原告とA子は携帯電話のメール交換を介してお互いの感情を伝え合い,映画やドライブなどの数回のデートを重ね,2か月程度が経過したところで性行為に至っていること,はじめて性行為をした後も,性行為をするだけでなく,ドライブなどのデートをする関係にあり,原告とA子の関係が性行為のみを目的とする関係ではなかったことが認められる(原告とA子との関係は,原告に妻子がおり,原告が妻と離婚してA子と結婚するつもりはなかったということを除けば,いわゆる恋人同士の関係と全く異なるところはないものである。)。
    そうすると,昭和60年大法廷判決が掲げる「当時における両者のそれぞれの年齢,性交渉に至る経緯,その他両者間の付合いの態様等の諸事情」を考慮して,健全な常識を有する一般社会人の立場で判断すれば,本件性行為について,原告が,A子を「単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められない」ものではないことが明らかである。

  (3)ア 被告国は,昭和60年大法廷判決は,「『真摯な交際関係』を『婚約中の青少年又はこれに準ずる』ものとし,このような意味での『真摯な交際関係』を処罰の対象としないと判示されている」として,「妻子がおり,A子との結婚を前提としていない原告とA子との関係を,婚約に準じるような関係と評価し,処罰の対象とならない」とするのは,同判決に抵触する旨主張する。
 しかし,…被告国の上記主張は,昭和60年大法廷判決の判示する内容を曲解し,処罰の範囲を恣意的に拡張しようとするものであり,到底採用できないものである。
   イ また,被告国は,原告は,積極的にA子に働きかけて性行為に及び,その後は,A子と性交する目的で,自分とA子のシフトを調整してA子と会う機会を作り,A子と性交を重ねる一方,妻とも性交をし,妻子と別れる意思も全くなかったから,第2形態の性行為に該当することは明白であり,また,A子を不倫関係に巻き込み,原告の妻に対する不貞行為に荷担させた行為は,明らかに社会通念上非難に値するものであるなどと主張する。
     しかし,被告国は,…事実等を恣意的に選択して援用し,性交するだけの目的の第2形態の性行為であると主張するもので,本件条例の目的を逸脱した拡張解釈をするものであり,昭和60年大法廷判決が具体的判断要素としてあげている原告とA子の性交渉に至る経緯や性行為以外の付合い方に関する事情などを全く無視しているもので,到底採用する余地のないものである。
     前記1(2),(3)のとおり,昭和60年大法廷判決が…限定解釈をしているのに,被告国がこのような本件条例の趣旨や規定から離れて,妻子ある者との不倫行為に当たることを殊更に強調することは,昭和60年大法廷判決の限定解釈を全く理解しないものであり,現時点においてもこのような主張をしていること自体,被告国の違法な姿勢を露呈するものであって,被告国の上記主張が理由のないものであることは明らかである。
 4 争点(1)(本件逮捕状請求及び本件逮捕の違法性)
  (1) 逮捕については,刑事事件において無罪の判決が確定したというだけで直ちに違法になるというものではなく,逮捕状請求及び逮捕状による逮捕の各時点において,犯罪の嫌疑について相当な理由があり,かつ,必要性が認められる限りは適法である(最高裁昭和53年10月20日第二小法廷判決・民集32巻7号1367頁)。
    したがって,逮捕状請求及び逮捕状による逮捕については,警察官が現に収集した証拠資料及び通常要求される捜査を遂行すれば収集し得た証拠資料を総合勘案して,その各時点で,警察官が,犯罪の嫌疑についての相当な理由及び逮捕の必要性を判断する過程において,合理的根拠が客観的に欠如しているにもかかわらず,逮捕状を請求しあるいは逮捕状により逮捕した場合には違法になると解するのが相当である。
  (2) 本件警察官らの判断過程について
     …
ウ …以上によれば,本件警察官らは,結婚を前提としない性行為であれば第2形態の性行為になるという解釈を前提に,上記の判断をしていたことが明らかである。
  (3) 合理的根拠の欠如について
   ア しかし,…本件警察官らが現に収集した証拠資料及び通常要求される捜査を遂行すれば収集し得た証拠資料を総合勘案すれば,本件性行為について,原告とA子の関係が性行為のみを目的とする関係ではなく,原告に妻子がおり,原告が妻と離婚してA子と結婚するつもりはなかったということ以外は,いわゆる恋人同士の関係と異なるところはなく,第2形態の性行為に該当する合理的根拠が客観的に欠如していたことは明らかであり,本件性行為について第2形態の性行為として逮捕状を請求し,逮捕できる事案でなかったことは明らかである。
   イ それにもかかわらず,本件警察官らは,…,結婚を前提としない性行為であれば第2形態の性行為になるという明らかに誤った解釈を前提に,…,客観的に犯罪の嫌疑について相当な理由がないにもかかわらず,明らかに不合理な構成要件への当てはめをし,本件逮捕状請求及び本件逮捕をしたものというべきである。
     そればかりか,前記2(1)によると,原告とA子が性行為を持つに至ったことについて,原告が,本件店舗における職務上の地位を利用したり,A子を不当な手段で誘惑したことはなかった(むしろ,原告は,妻と離婚するつもりがないことをA子に告げて,それでも性行為を持つことを了解してもらっていた)のに,本件警察官らは,本件性行為に至る経緯について,原告が「副店長として勤める店に働くバイト女子従業員をその立場を利用し言葉巧みに誘い,少女に対し性行為に及んだことは明らか」と,原告が職務上の地位を利用し,不当な誘惑をした旨の,事実とは全く異なる,明らかに誤った記載をした本件逮捕状請求書(甲39)を作成,提出するまでして本件逮捕状請求をしたものである(A3は,証人尋問において,「言葉巧みに」に該当する具体的な事実について証言できないなど,この点に関し合理的な説明ができなかった。)。
   ウ したがって,本件警察官らは,以上の誤りを重ねて,犯罪の嫌疑の相当な理由について合理的根拠が客観的に欠如しているにもかかわらず,本件逮捕状請求をし,かつ本件逮捕をしたものであるから,これらは国家賠償法1条1項における違法な行為というべきであり,上記のとおり,必要な捜査を怠り,明らかに不合理な構成要件への当てはめをしているから,過失も認められる。

 6 争点(3)(本件公訴提起の違法性)
  (1) 公訴の提起は,検察官が裁判所に対して犯罪の成否,刑罰権の存否につき審判を求める意思表示であるから,公訴提起時における検察官の心証は,その性質上,判決時における裁判官の心証とは異なるものである。このことを考慮すると,検察官の公訴の提起は,刑事事件において無罪の判決が確定したというだけで直ちに違法となるものではなく,公訴提起時における証拠資料を総合勘案して合理的な判断過程により有罪と認められる嫌疑があれば,違法性はない。
    しかし,公訴提起時において,検察官が現に収集した証拠資料及び通常要求される捜査を遂行すれば収集し得た証拠資料を総合勘案して合理的な判断過程により有罪と認められる嫌疑がない,つまり有罪判決を期待しうる合理的な根拠が客観的に欠如しているのに,公訴を提起した場合には違法と解するのが相当である(前掲最高裁昭和53年10月20日第二小法廷判決,最高裁平成元年6月29日第一小法廷判決・民集43巻6号664頁)。
  (2) 本件副検事の判断過程
…    (ウ) これら,本件副検事が現に収集した証拠資料及び通常要求される捜査を遂行すれば収集し得た証拠資料を総合勘案すれば,本件性行為について,原告とA子の関係が性行為のみを目的とする関係ではなく,原告に妻子がおり,原告が妻と離婚してA子と結婚するつもりはなかったということ以外は,いわゆる恋人同士の関係と異なるところはなく,第2形態の性行為として有罪判決を期待しうる合理的な根拠が客観的に欠如していたというべきであり,本件性行為について第2形態の性行為として公訴提起しうる事案ではないことは明らかである。
   イ それにもかかわらず,前記(2)オのとおり,本件副検事は,妻と別れるつもりがなく,A子と結婚する意思がなければ,「A子に対して責任のある行動をとれない」,「単なる浮気相手」,「単なる遊び」にすぎず,「真摯なもの」ではないなどと,原告にA子と結婚する意思がないことを過大視して,第2形態の性行為に該当するか否かの判断に必要とされる,結婚の意思以外の,当時における両者のそれぞれの年齢,原告とA子との性行為に至る経緯やその他両者間の付合いなどについて現に収集した証拠資料を正しく評価することをしなかった。
     そのため,本件副検事は,原告が,繰り返し述べていた,A子と恋愛関係にあった,性行為が目的で付き合っていたわけではないとの供述を取り合わず,結婚の意思以外の具体的な事実について原告やA子から聴取を行わず,前記(2)ウ(ア),(イ)のように強引にまとめ上げた本件各検面調書を作成した上,第2形態の性行為として有罪判決を期待しうる合理的な根拠が客観的に欠如していたにもかかわらず,明らかに不合理な構成要件への当てはめをし,本件公訴提起をしたものというべきである。
   ウ したがって,本件副検事は,以上の誤りを重ねて,第2形態の性行為として有罪判決を期待しうる合理的な根拠が客観的に欠如していたにもかかわらず,本件公訴提起をしたものであるから,国家賠償法1条1項における違法なものというべきであり,上記のような昭和60年大法廷判決に反する誤った判断により,必要な捜査を行わず,明らかに不合理な構成要件への当てはめをしているから,過失も認められる。
 8 争点(5)(本件各副検事調べの違法性)
    … 取調べをする捜査官には,取調べ方法の選択・実施について,裁量が認められているものと解され,取調べの技術として,理詰めの尋問自体は,合理的な必要性がある限り許され,理詰めの尋問であるというだけでは直ちに原告の供述の自由などの原告の権利利益を侵害することになるものではない。
     しかし,取調べを担当する捜査官が誘導により虚偽の自白を取得することはその意図の如何にかからわず,刑事訴訟法の理念からしても厳に戒められるべきであり,取調べを担当する捜査官は,そのような虚偽の自白の誘発を防ぐため,取調べの方法・態様が許容される範囲を逸脱しないように十分な注意を払わなければならないというべきであり,これを著しく欠いたときは,その取調べは,取調べの方法の選択・実施に関する捜査官の裁量の範囲を著しく逸脱したものとして,違法というべきである

ウ 前記前提事実のほか,証拠(甲34ないし37,44,証人A7,原告本人)及び弁論の全趣旨によると,原告は,本件各副検事調べにおいて,本件副検事に対して,A子と互いに恋愛関係を持っていたと供述したこと,本件副検事は,原告にA子と結婚する意思がないことを過大視し,「恋愛関係って,どういうものなの?」,「恋愛関係といっても濃淡があるよね?」,「妻子と別れてもいいと言うくらいの,熱烈な恋愛関係だったの?」などと質問したところ,原告は妻と別れるつもりはなく,A子と結婚するつもりもなかったと供述したこと,本件副検事が,原告に対して,A子との関係が真摯なものであったといえないのではないかと投げかけたところ,原告がさらに具体的にA子との恋愛感情について供述しなかったこと,本件副検事は,原告は被疑事実を認めるものと判断し,「事実はそのとおり間違いありません」(一覧表2のNo7),「17歳であるにもかかわらず,私と彼女との間に淡い恋愛関係が生まれたことから,妻子があり,妻が妊娠しているにもかかわらず,彼女の若さに惹かれてセックスしたのです」(同No8,9),「真摯な付き合いではありません」(同No10),「A子とセックスするについて,正直言って専ら自分の性欲を満たすためだけだと言われても,やむを得ません。」(同No11),「処罰については,素直に受けます。」(同No12)などと整理した本件各検面調書を作成したところ,原告は,本件各検面調書の内容を確認した上,いずれも署名・指印をしたものと認められる。
 しかし,このような本件副検事の本件各副検事調べは,原告は妻と別れるつもりはなく,A子と結婚するつもりもなかったことだけでは必ずしも第2形態の性行為に当たらないにもかかわらず,あたかもこれに当たるかのような前提で取調べをしたものであり,上記No8,9の記載は,恋愛関係にあったとの原告の供述を,「淡い」という単語を加えることにより,原告の供述する内容を無理に弱めさせたものであり,上記No7,12の記載は,上記のような誤った前提により,処罰を受ける必要のない者に自白を迫り,本件副検事の評価を認めさせ,処罰を素直に受けると述べたことにさせたものであり,上記No10,11の記載は,同様に,いずれも本件副検事の誤った評価を押しつけてこれを認めさせたものであって,誘導により虚偽の自白を取得したものである。
 このような誤った前提により虚偽の自白を迫る尋問は,取調べの方法について捜査官の裁量の範囲を著しく逸脱したものというべきである。
     そして,かかる不当な本件各副検事調べは,原告に不当な心理的圧迫を与え,誘導により虚偽の自白を取得したものであり,原告の供述の自由に対する違法な侵害であり,上記のような供述調書を作成したことにより,本件副検事は,略式裁判を求める本件公訴提起が容易になったものと考えられるから,本件各副検事調べは,本件公訴提起と相まって,国家賠償法1条1項における違法なものであり,本件副検事は,取調べの方法・態様が許容される範囲を逸脱しないようにすべき注意義務を怠った過失が認められる。
   エ 被告国は,本件副検事が,本件各副検事調べにおいて,原告に反論させる機会を与えていたのであり,取調べの当初から本件性行為を淫行に当たると決めつけていたわけではないと主張するが,上記のとおり,原告にA子と結婚する意思がないことを過大視した理詰めの尋問をしており,無理な押しつけを行っていることは前記のとおりであり,原告に反論の機会を与えていたとしても,本件各副検事調べが違法であることに影響はなく,被告国の上記主張は理由がない。
   オ 原告の上記アの主張は「人格権,自己決定権」をいうものであるが,取調べの場面においては,供述の自由を主張しているものと解され,かかる意味において原告の上記主張には理由がある。
  (3) したがって,本件各副検事調べについて,被告国に所属する本件副検事は,過失によって違法に原告に損害を加えたものであるから,被告国は,原告に対し,国家賠償法1条1項に基づき,原告に生じた損害を賠償する義務を負う。