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【判旨】

 民法724条後段の適用の有無

〇 民法724条後段の20年の期間は、除斥期間を画一的に定めたものと解するのが相当。

〇 本件

  • 本件交通事故は自動車損害賠償責任保険の付保されている交通事故であるところ、原告は、平成24年8月8日に後遺障害について症状固定の診断を受け、その診断書を被告側任意保険会社に提出して自動車損害賠償責任保険の事前認定の手続を進めさせ、平成24年9月26日ころに後遺障害は併合第10級に該当するとの認定を受け、それから6ヶ月以内の日である平成25年2月23日に当庁に本訴を提起したが、
  • 同訴提起日は本件交通事故の日である平成4年12月29日からは20年以上が経過している。

〇 検討

  • そこで検討するに、
  • 平成24年8月8日に後遺障害について症状固定の診断を受けたとしても、そのことをもって原告に対して事前認定の結果が出る前の事前認定手続期間中に訴えの提起を求めるのは困難である(仮にそのような訴えの提起があったとしても、交通事故損害賠償請求訴訟の実際に鑑みれば、訴訟が動き出すのは事前認定の結果が出てからになると思われ、そのような訴えの提起を敢えて求めることに意味があるとも思えない)こと
  • 及び
  • 事前認定を受けた平成24年9月26日ころから訴えの提起を準備するとしても、それから6ヶ月の期間は通常必要と認められること
  • からすれば、原告が症状固定の診断書を被告側任意保険会社に提出して事前認定の手続を進めさせてから平成25年2月23日に本訴を提起するまでの経過は、原告が本件交通事故による損害賠償請求権を行使する一連一体の行為と捉えることができ
  • そうすると、本件では本件交通事故から20年の除斥期間内において権利行使がなされたと見るのが相当であるから、
  • これによって除斥期間の満了は阻止されたことになると判断するのが相当である。
  • 以上のように自動車損害賠償責任保険の付保されている本件交通事故においてその損害賠償請求権行使の行為を一定の時間的な幅を持つものと捉えたとしても、その幅は症状固定の診断書を提出して事前認定の手続を進めさせてから認定結果が出るまでの事前認定手続期間及び事前認定から6ヶ月の訴え提起準備期間に限られているから、法律関係を画一的に確定しようとする除斥期間の趣旨を乱すことはないというべきである。

〇 結論

  以上のとおり、本件では民法724条後段の適用はない。