ホーム
弁護士紹介
事務所概要
相談・依頼
顧問弁護士について
アクセス
平田元秀ブログ
吉谷健一ブログ
市民の法律相談室
doyou
horitu
問い合わせ
logo
管理画面へ
④ 後遺症逸失利益

●後遺症による逸失利益について

1.逸失利益の算定方法

 後遺症による逸失利益は,

①基礎年収×②労働能力喪失率×③労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

で算定・計算します。

 その際,労働能力の低下の程度,収入の変化,将来の昇進・転職・失業等の不利益の可能性,日常生活上の不便等を考慮するものとされています。

 なお,死亡による逸失利益を算定する場合には,労働能力喪失率が100%である反面,将来の生活費がかからなくなった点を控除する必要がありますので,その逸失利益は,

 ①基礎年収×(1-生活費控除率)×③就労可能年数に対応するライプニッツ係数

で算定・計算します。

2.基礎収入(基礎年収)の考え方

(1) 逸失利益算定の基礎となる収入は,原則として事故前の現実収入を基礎としますが,将来現実収入額を超えるの収入を得られることが立証されれば,その金額が基礎収入となります。

 なお,現実収入額が賃金センサスの平均賃金を下回っていても,将来平均賃金程度の収入を得られる蓋然性があれば,平均賃金を基礎収入として算定すればよいものとされています。

(2) 基礎収入をめぐる基本的な考え方と論点については,裁判例を整理するに当たり,有職者か,家事従事者(主婦・主夫)・高齢者か,無職者か,失業者かといった視点で分けて考えると整理しやすいものといえます。

 重要な点ですが,各論的論点が多いので,ここでは割愛します。

3.労働能力喪失率について

 労働能力の低下の程度については,労働省労働基準局長通牒(昭32.7.2基発第551号)別表後遺障害別等級表を参考とし,被害者の職業,年齢,性別,後遺症の部位,程度,事故前後の稼働状況等を総合的に判断して,具体的に当てはめて評価するものとされています。 

 上記別表(後遺障害別等級表)によれば,

等級第1級~第3級の後遺障害の労働能力喪失率は100%

同第4級は92%

同第5級は79%

同第6級は67%

同第7級は56%

同第8級は45%

同第9級は35%

同第10級は27%

同第11級は20%

同第12級は14%

同第13級は9%

同第14級は5%

とされています。

4.労働能力喪失期間

(1)労働能力喪失期間の始期は,症状固定日です。

 未就労者の就労の始期については,原則18歳とされていますが,大学卒業を前提とする場合には大学卒業時とするものと取り扱われます。

(2)労働能力得喪失期間の終期は,原則として67歳です。

 症状固定字の年齢が67歳を超える者については,原則として簡易生命表の平均余命の2分の1を労働能力喪失期間とするものとして取り扱われます。

簡易生命表は厚生労働省がウエブサイトで発表しています。

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life12/dl/life12-06.pdf

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life12/dl/life12-07.pdf

 症状固定時から67歳までの年数が簡易生命表の平均余命の2分の1より短くなる者の労働能力喪失期間は,原則として平均余命の2分の1と取り扱われます。

 もっとも労働能力喪失期間の終期は,職種,地位,健康状態,能力等により,上記の原則とは異なった判断がされる場合もあります。

 また,事案によっては,期間に応じた喪失率の低減を認めることもあります。

(3)むち打ち症の場合には,12級で10年程度,14級で5年程度に制限する例が多く見られますが,後遺障害の具体的症状に応じて適宜判断すべきとされています。

(4)中間利息控除(ライプニッツ係数)

 労働能力喪失期間の中間利息の控除については,ライプニッツ式によるものと取り扱う裁判所が多く,神戸地裁管内でライプニッツ式によって処理されています。

 中間利息控除の基準時については,症状固定時とするのが実務の大勢です。