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② 休業損害(その1 休業損害)

(1)給与所得者の休業損害

 事故前の収入を基礎として受傷によって休業したことによる現実の収入減とします。

 現実の収入減がなくても,有給休暇を使用した場合は休業損害として認められます。

 休業中,昇級・昇格のあった後はその収入を基礎とします。

 休業に伴う賞与の減額・不支給,昇級・昇級遅延による損害も認められます。

(2)事業所得者の休業損害

 現実の収入減があった場合に認められます。

 なお,自営業者,自由業者などの休業中の固定費(家賃,従業員給料など)の支出は,事業の維持・存続のために必要やむを得ないものは損害として認められます。

(3)会社役員の休業損害

 会社役員の報酬については,労務提供の対価部分は休業損害として認容されます。他方,利益配当の実質を持つ部分については,裁判例は消極的です。(「赤い本」2005年版下巻11頁「会社役員の休業損害・逸失利益」参照)。

(4)家事従事者

 賃金センサス第1巻第1表の産業計,企業規模計,学歴計,女子労働者の全年齢平均の賃金額を基礎として,受傷のため家事労働に従事できなかった期間につき認められます。

 パートタイマー,内職等の兼業主婦については,現実の収入額と女性労働者の平均賃金額のいずれか高い方を基礎として算出します(「赤い本」2003年版294頁[合本Ⅲ169頁]「家事労働の逸失利益性」参照)。

(5)無職者

① 失業者

 労働能力及び労働意欲があり,就労の蓋然性があるものは認められるが,「赤い本」では「平均賃金より下回ったところになろう」とされている。

② 学生,生徒等

 原則として認められないが,収入があれば休業損害が認められる。

 就業遅れによる損害は,休業損害として認められる。