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【回答】

ご質問の点については,
最高裁昭和32年11月14日決定民集11巻12号1943頁が基本判例であり,さらに
最高裁平成15年4月11日判決判例時報1823号55頁が参考になります。

 1.最高裁昭和32年11月14日決定〔判旨〕

  •  原審の確定したところによれば、本件債務者組合が法人格なき組合であり、昭和二五年七月二三日当時及びその前後にわたり、その実体がいわゆる権利能力なき社団であつたことは、当事者間に争がない。思うに、権利能力なき社団の財産は、実質的には社団を構成する総社員の所謂総有に属するものであるから、総社員の同意をもつて、総有の廃止その他右財産の処分に関する定めのなされない限り、現社員及び元社員は、当然には、右財産に関し、共有の持分権又は分割請求権を有するものではないと解するのが相当である。

自治会・町内会は,認定地縁団体として法人格を取得しているか又は権利能力なき社団ということになります。法人格を取得している場合には,その財産は法人たる自治会・町内会のものであり,その定款・規約の定めによることなしに,当然には住民がその財産の分割を請求することはできません。法人格を取得しておらず,権利能力なき社団であるという場合には,上記判例の通り,自治会・町内会の財産は,その構成員の総有に属するものと解されるので,特別の定めがなされない限り,その財産の分割を請求することはできないものと解されます。

 2.最高裁平成15年4月11日判決〔判旨〕

  •   入会権者らの総有に属する入会地を売却するに当たり入会権者らが入会権の放棄をした場合であっても、入会権者らが入会地の管理運営等のための管理会を結成し、その規約において入会地の処分等を管理会の事業とし、入会地の売却が管理会の決議に基づいて行われ、売却後も入会権者らの有する他の入会地が残存し、管理会も存続しているなど判示の事実関係の下においては、入会地の売却代金債権は、入会権者らに総有的に帰属する。

    この判決は,自治会・町内会所有の入会地が総有に属することを前提とした上で,構成員による入会権の行使(入会地の利用)が形骸化している場合はどうか。また,入会地が売却され,現金に形を変えた場合にはどう考えればよいかについて判断を示したものです。判決は,その財産が自治会・町内会によって所有・管理されている場合には,なお総有に帰属すると述べました。

 3.ご質問へのご回答

   ご質問の点については,当該自治会・町内会によって売却代金が定款・規約に基づき管理されているという実態があるのであれば,なお当該自治会・町内会の構成員の総有に帰属するというべきであり,この場合には個々の住民による分割請求は定款・規約の定めに基づかない限りできないということになるというのがご回答となります。