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② 預貯金の仮払制度の新設

 預貯金を遺産分割の対象とする最高裁平成28年12月19日決定を受けて,預貯金の仮払制度が新設されることになりました。


 最高裁平成28年12月19日大法廷決定 民集70巻8号2121頁/判タ1433号44頁

 共同相続された普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権は,いずれも,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく,遺産分割の対象となるものと解するのが相当である。

 以上説示するところに従い,最高裁平成15年(受)第670号同16年4月20日第三小法廷判決・裁判集民事214号13頁その他上記見解と異なる当裁判所の判例は,いずれも変更すべきである。


 上記の最高裁による判例変更の結果,遺産分割前の払戻は,相続人全員の同意がない限り認められないことになりました。

 しかし,そうなりますと,実際上,葬儀代,病院代等の支払,被相続人の資産に依存して生活してきた相続人の当座の生活費の工面をどうするのかといった差し迫った必要に応えられないことになってしまい,それはそれで硬直的な結果が生じます。

 そこで,この度の相続法改正では,遺産分割前の預貯金の払い戻しを認める制度として,

  • ① 家庭裁判所の保全処分を利用する方法と
  • ② 少額の金額に限り,相続人単独で裁判所を用いなくても払戻を認める方法が用意されました。

 ①の制度は,裁判所に対して,当該相続人に仮払いを行うことの必要性・相当性を疎明すれば認められますが,弁護士利用型の方法となります。

 ②の制度は,相続開始時の預貯金の額の3分の1に払戻を求める相続人の法定相続分を掛けた額と法務省令で定められる額(未定ですが100万円台が想定されています。*)のどちらか少ない方に限っては,相続人単独で払戻を認めるというものです。

  • * 民法(相続関係)部会第24回会議(平成29年10月17日)開催部会資料24-2 補足説明(要綱案のたたき台⑶)参照
    •  上記の補足説明は,法務省令で規定する場合の考慮事情としては, 平均的な葬儀費用や,標準的な必要生計費高齢世帯の貯蓄状況等の事情を考慮することになるものと考えられる,としています。