ホーム
弁護士紹介
事務所概要
相談・依頼
顧問弁護士について
アクセス
平田元秀ブログ
吉谷健一ブログ
市民の法律相談室
doyou
horitu
問い合わせ
logo
管理画面へ
4.民法改正論議との関係

  • 前記の通り,法務省法制審議会の民法(債権関係)部会では,「複数の法律行為の無効」に関する検討事項として「複数の法律行為の一つが無効になった場合において,当該法律行為が無効であるとすれば当事者が他の法律行為をしなかったと合理的に考えられるときは,当該他の法律行為も無効になることを明文で規定すべきであるとの考え方が提示されているが,どのように考えるか」と問題提起されています。
  • クレジット契約は,売買契約の代金支払のために締結されるわけであり,売買契約が無効であれば,クレジット契約を締結することはないという関係にありますので,上記のような条文が規定されるときには,そのクレジット取引における適用の可否・要件が裁判例を通じて明らかにされていく関係にあるでしょう。
  • 本判決は,上記の通り,個別クレジット取引において販売契約が公序良俗違反で無効となる場合について,さらに「販売業者の公序良俗に反する行為についてのあっせん業者の認識の有無及び程度等」に関し,信義則上の特段の事情があれば,連動失効の余地もあると述べているものと解されますが,こうした信義則上の諸事情を具体的に考量する考え方は,上記の改正提案にある「合理的に考えられるとき」の枠組みとは異なります。最高裁は,あくまで,ケースバイケース処理を志向しているのに対し,改正提案は,事前に,合理性の枠組みで判例形成を通じて類型を抽出しようという方向を志向しています。
  • 民法(債権関係)改正のステージでは,この問題は,「複数契約の解除」論,「契約交渉等に関与させた第三者の行為による交渉当事者の責任」論に密接にリンクしています。特に,契約交渉補助者の行為についての交渉当事者の責任論については,上述の消費者契約法5条の媒介委託者責任と法理論としては通底しています。本判決に見るような最高裁のかなり慎重な判断は,上述の通り,どこまで広がるか分からないスパンの広い民事効に道を開く判決を出すことを恐れているような感じを受けるのですが,名だたる民法の学者・実務家・関係各界の代表者を結集して行われている民法改正のステージでは,スマートな改正の実りが得られるよう願っています。