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「予備試験の受験資格制限、今すぐは困難」 内閣官房推進室、見解発表(2014/06/15)

「予備試験の受験資格制限、今すぐは困難」 内閣官房推進室、法曹養成制度改革で見解

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140612/trl14061218010001-n1.htm

2014.6.12 18:01

 法律の専門家を養成する制度の改革について有識者が意見を出す法曹養成制度改革顧問会議が12日開かれ、法科大学院に行けない人が司法試験の受験資格を得るための予備試験について、制度改革案を立案する内閣官房法曹養成制度改革推進室が「受験資格を今すぐに制限すれば、法科大学院離れを招く懸念があり難しい。法科大学院教育改革の行方や司法試験の推移を見守り、制度全体の改革を検討する中で考えるべき」との見解を示した。

 推進室は受験資格制限として、

(a)資力不足者や社会人経験者が受験できる

(b)一定年齢以上とする

(c)法科大学院在学者は認めない

(d)試験科目変更-

が考えられると列挙し、

  • 「どの制限を設けても、法曹志望者や法科大学院入学者が減る恐れが大きく慎重な検討が必要」

と言及。

  • 「法律の専門家を目指す人が法科大学院に行こうと思えるよう、まず大学院改革を進め、政府として大学院教育の大切さを社会に認識してもらうための発信をすべき」

とした。

 司法試験を受験できるのは原則法科大学院修了者とされ、経済的理由で法科大学院に入れない人や社会人経験者に門戸を残す例外的趣旨で予備試験経由の司法試験受験を認めている。だが、法学部生や法科大学院生が予備試験経由で司法試験に合格する例が目立ち、法科大学院の存在意義を脅かす事態が生じている。

 顧問らも「早急には制限を決めず、慎重な議論が必要」と述べ、「ただ、法科大学院の体力悪化は見過ごせないほど切迫しており、何らかの方策が出せるよう取り組む必要がある」との認識で一致した。


推進室のこの度の見解発表に関しては,前振りとして,

平成26年5月23日(金)開催の第8回顧問会議においても,推進室が予備試験の受験資格等制限に慎重な立場であることが示唆されていました。

議事録20頁以下を引用しておきます。


 推進室におきましては、予備試験につきましての制度面での制約というものを検討するに当たりましては、そのような制度的制約を講ずる必要があるのかという視点での検討が不可欠であると考えております。
 例えば、法科大学院の改善による対処というものが可能ではないかという視点からの考察が必要ではないかと考えております。法科大学院生や大学生の予備試験受験動向といいますものは、現在進められております法科大学院全体の組織見直しに加えまして、法科大学院の理念に沿った魅力ある法科大学院教育に改善されることにより、どの法科大学院でも司法試験の合格率が7~8割になるということを求めての改革というふうに認識しているところでございますが、このような改革が行われた場合には、予備試験の制度的制約がなお必要なのかという問題を考えなければならないと考えております。
 また、予備試験に関するデータを踏まえた、すなわちエビデンスに基づく検討というものが不可欠であると考えております。この点、平成25年の予備試験の合格率は全体で約3.8%と極めて狭き門となっております。さらに、予備試験に合格いたしましても、司法試験は翌年受けることになるなど、これから法曹を目指そうとする者、法曹を目指そうかなと考える者にとりまして、必ずしも予備試験ルートが法曹になるための時間短縮の最善の策であると当然に思えるような状況であるとは考えておりません。
 また、平成25年の予備試験受験実績を見ましても、法科大学院在学中であることが明らかな予備試験合格者161人のうち、法科大学院3年生が157人を占めております。この法科大学院3年生の予備試験合格者たちは、翌年の司法試験を受験することになりますので、結局、法科大学院修了資格も取得して司法試験を受験することになります。したがいまして、これらの者につきましては、まさにプロセスとしての法科大学院課程を終了して司法試験に臨んでいると言えることにも留意する必要があると考えております。
 このような視点からしますと、現時点での受験資格制限といいますものは、まだ早い、あるいはこのようなものはする必要はないという見方もあろうかと思われます。
 また、予備試験対策に気を取られて、大学生や法科大学院生の勉強態度が芳しいものではなくなってきたという指摘についてでございますが、まず、大学の学生の勉強態度につきましては、予備試験対策だけでなく、まさに法科大学院の既修者コースを目指すための勉強と重なっておりまして、この点について大学生が予備校を活用することが悪いと評価することは必ずしもできないのではないかという問題意識がございます。この点におきまして、いわゆる旧司法試験時代の予備校の位置付けと現在の予備校の位置付けを同じとすることはできないのではないかと考えております。

 また、司法試験科目につきまして、選択科目を廃止する案につきまして、この顧問会議でも御説明し、それに対する各界からの反論ということについても議論したところでございますが、その中で法科大学院における教授の先生方から、司法試験科目でないと法科大学院の学生が勉強しなくなるという指摘を受けたことからも明らかなように、法科大学院生の勉強態度の問題は予備試験固有のものではなく、司法試験合格率が低迷する中で、学生が司法試験合格を意識した授業対応となってしまっている問題であるともいえるのではないかと考えております。また、法科大学院生が答案練習以外に予備校を活用している実態が余りないということも今回の予備校からのアンケートで明らかになったところでございます。
 さらに、法科大学院在学中に予備試験対策に追われて、授業の予習・復習をおろそかにするといった問題につきましては、その具体的な実態がどのようなものかというのは必ずしもまだ定かではございませんが、仮にそのような問題があるとした場合には、そのような問題に対処するには、予備試験の受験を制度的に一律に禁止することによって解決すべきものではなく、まず適切な教育指導や単位認定で対応すべき事柄であるとも考えられるのではないかと思っておるところでございます。