あかつき証券(旧黒川木徳証券)事件について

2014年12月18日

あかつき証券(旧黒川木徳証券)事件について

 当事務所では,あかつき証券株式会社が販売した不動産ファンド「グランドプロパティ」を購入した投資家が,あかつき証券を相手取って,不法行為責任を追及する訴えを起こして,事件を進めてきました。
 神戸地方裁判所姫路支部では,他にも同じく「グランドプロパティ」を購入した投資家が,あかつき証券を相手に訴えを起こしており,その訴訟代理人とも連携して事件の処理に当たってきました。

◎ 不動産ファンド「グランドプロパティ」事件の概要

 当事務所の扱った事件は,あかつき証券の従業員から「グランドプロパティ」を勧められて購入したところ,莫大な損失を被ったために,一般投資家が,あかつき証券に対して損害賠償を請求したというものです。

 あかつき証券は,もともとの社名は黒川木徳証券でしたが,平成23年8月1日に社名変更しました。
 「グランドプロパティ」を企画した株式会社レイコフは,高木証券が販売していた「レジデンシャルONE」という不動産ファンドも企画開発していました。これを精力的に販売していた高木証券は,投資家から損害賠償を求める訴訟を次々に起こされ,判決においては高木証券の勧誘時の説明義務違反が認められました。また,行政においても,業務改善命令を受けました。
 本件では,同じレイコフが企画したほぼ同一内容の不動産ファンド「グランドプロパティ」の販売過程にも問題があったものとして,あかつき証券の責任を追及しました。

◎ 「グランドプロパティ」の商品としての危険性

 「グランドプロパティ」と「レジデンシャルONE」は,商品内容がとても類似しており,その商品の危険性もまた,同質のものであると見られます。レイコフは,「グランドプロパティ」というファンドを運用するにあたって,あかつき証券が一般投資家から集めた資金だけでは足りないので,銀行からも借入れをして,不動産を購入します。レイコフは,それらの資金を使って都心を中心に賃貸マンションを購入し,賃料収入をあげることによって運用を行います。そして,運用期間経過後は,マンションを売却し,その売却代金を償還資金に充てます。
 ところが,この「グランドプロパティ」の問題点は,償還をする際に,銀行に対する借入金の返済が優先されている点にあります。
 「グランドプロパティ」においては,不動産購入資金の3分の2あるいは4分の3を銀行からの借入金に依存しており,たとえば後者の場合,購入した不動産の価値が4分の1下落しただけで,不動産売却代金の全てを銀行への返済に充てなければならず,投資家への償還金額はゼロになってしまうことになります。
 このようなリスクを<レバレッジリスク>といいますが,このレバレッジリスクの大きさは,金融機関からの借入れに依存する割合に比例して高くなります。「グランドプロパティ」では,出資金の3~4倍の借入れを行っていましたので,不動産価格が20%あるいは25%値下がりしただけで,元本は全く返ってこなくなります。
 このように,「グランドプロパティ」は,銀行への返済を優先する結果,不動産価格が下落した場合に一般投資家が非常に大きな損失を被るおそれがあるにもかかわらず,このことを事前に十分説明することなく販売がなされたため,一般投資家は,現在,当初予期しなかった極めて大きな損害を被ることとなってしまったのです。
 訴訟では,このレバレッジリスクについての説明が勧誘時に十分になされていたかどうかが争点となりました。

 そして,結果的には,このたび,あかつき証券が一定額の解決金を支払うという形で和解が成立しました。

 当事務所は,兵庫県弁護士会姫路支部の消費者問題に志のある弁護士と一緒に「姫路先物証券取引被害研究会」を結成し,長年にわたり継続的に投資被害に取り組んでいます。不動産投資ファンドその他の投資取引に関し,より詳しいご相談をご希望の場合には,お電話でご相談の予約をお願いします。