新年のご挨拶

明けましておめでとうございます。

 手拭のねじったままの氷かな   1823年
 ともかくもあなた任せの年の暮れ 1819年
 能なしは罪もまたなし冬籠    1819年
 春立つや愚の上にまた愚にかえる 1823年

 一茶の57歳と61歳の時の句です。
 これらの句を「いいなあ」と感じる江戸の人たちと,私たちとの間に,言葉遣いを含めて何も違いがないんだなとよく分かる句です。人の気持ちも,200年一日のようなものでしょうか。
 100年に1度といわれる疫病新型コロナの大流行の時節には,その位の時間感覚で江戸や明治や大正や昭和の人たちとつながっていたいと思います。私たちの世界や私たちの国や私たち市民にとって,何が一番大切か。長い目で本当にどれが必要か。大切なもの,必要なものを守るために,きちんと声を挙げ,またそれを支える努力を行っているか。
 お話を聞き,記録を読み,考え,言葉に表し,論理立てて事実を積み上げ,法を適用し,具体的な事件を解決していく司法の仕事が,それぞれの人の一番大切なもの,必要なものを守るためにしっかりと機能するよう,愚考しながら,市民法律事務所は,今年12年目の仕事を始めます。
 皆さまの新しい年が輝かしい年となることを祈念して,新春のご挨拶と致します。
                         2021年(丑年)正月
                             所 員 一 同

 


*「新年のご挨拶」は「市民法律だより22号(2021年1月号)」にも掲載されます。