河合塾で弁護士講演「法学特別講座」を行いました。
2020年9月27日(日曜日)河合塾三宮校で塾生(現役生・予備校生)を対象に「法学特別講座」が開かれ,弊所平田元秀弁護士が講演しました。レジュメは次の通りです。
1 弁護士(司法試験)を志望した動機
・「警察官になること」から「弁護士になること」へ
・中高一貫の男子校に進学
・卒業アルバムの寄せ書きに「法律のことなら平田法律事務所へ」
・東大文Ⅰを落ちて早大法へ
・「文系のトップにある自由職に挑戦」
・「弁護士になる」というありがちな夢
2 法曹界で働くには
- 法曹とは
- ロースクールに入学して受験資格を得る方法
- 予備試験に合格して受験資格を得る方法
- 予備試験の最年少合格者の年齢
- 予備試験合格者の合格率とロースクール卒業者の合格率
3 法曹で弁護士を選んだ理由
4 検察官,裁判官との社会における役割の違い
- 裁判官 裁判官とは/裁判官の勤務先/社会との関わり
- 検察官 検察官とは/検察庁での仕事/特捜部/法務省のキャリアとしての仕事
- 弁護士
-
-
法曹の人口構成 /弁護士の人口構成 (弁護士白書)
- 弁護士の社会における役割
家事事件や民事事件や保全事件や執行事件や破産・倒産の事件を担当。
国選弁護人,私選弁護人として刑事事件を担当。
裁判所から依頼を受けて破産管財人や,成年後見人や,調停委員に。
弁護士会の委員会に所属して,委員会活動(公益活動)に参画。
日弁連や政府の委員会で,法制度改革に関わって活躍。
企業団体の役員,大学・ロースクールで教授や講師を務める。
政治家に転身したり,省庁に嘱託採用されたり。
非常勤裁判官を務めることも。 - 社会性を帯びた相談
夫婦同姓の制度のために,職場で苦痛を強いられた。不当な差別ではないかという相談。
原発の稼働の差し止めを求める市民運動から裁判の依頼・相談。
同性のカップルが 職場での交際を理由に退職の勧奨を受けたのですが…。
駅前の公園で使用許可を得て「安倍政治を許さない」と題するプラカードを掲げた市民の表現活動が行われたのに対し公園を管理する当局が活動の停止と解散を求めた。これは表現の自由に対する不当な行政処分であるとして国家賠償を求める相談。 - 市民社会や市民運動と直接結びついて活動を展開しあるいは温めていくという部分は,検察官や裁判官ではなく弁護士が担っている。
-
5 実際の現場での体験から仕事としての面白さ・難しさ
6 現在の司法制度及び裁判員制度と問題点
・弁護士人口を急激に増やす司法制度改革の影響
・「携帯電話料金を下げる!」の発想と同じだけど…。
・弁護士人口を増やせば,良質な弁護士の数も増えるのか?
・弁護士法は弁護士に人権と社会正義を担う専門家市民(人権と社会正義に関わる無償の専門的活動の担い手)としての役割を期待。
・資格垂れ流しの人口政策により,「法曹界の質の劣化」といわれる現象が深く進行中。
7 求められる人材
- 弁護士業界に求められていない人はどんな人?
- 弁護士に必要なスキル・能力
- 弁護士に向いている性格・適性