マラソンに挑戦

 先日、市川で第36回兵庫市川マラソン全国大会が開催され,私も人生で初めてマラソン大会なるものに参加することになったので,そのときのことを書こうと思います。

 思い返せば、これまでの人生の中で走ったことといえば、高校生のときの持久走(2キロ)が最後にして最長の記録、学生時代の部活は将棋部と根が文化系の人間で、走ることなど思いもよらない人生を歩んできたのですが,どこでどう間違ったのか、市川マラソン5キロのスタートラインに立つことになっていました。
 周りの先生に話してみても,「無理するなよ」と労りの言葉をちょうだいするばかりで,同期の友人に至っては,「そんなん無理に決まっとるやろ」とせせら笑う始末でした。
 そんな周囲の声をよそに、練習のランニングでの手応えから、タイム30分を切ることを目標に掲げたのです。

 5キロの部は,10キロの部に比べて人数も少なかったですが,それでもスタートラインを目の前にすると,緊張するものがありました。
 そして、号砲とともにスタート。
 練習で一緒に走っていただいた平田先生から、「周りに引きずられてペースを上げすぎないように」とのアドバイスをいただいたので、周りがかなりのハイペースで走っていく中で、私はひたすらマイペースに走っていきます。
 まだ2月下旬ということもあってか,山や木々の装いは寂しいものではありましたが,市川ののどかな田園風景を楽しみながら走るのは、気持ちのいいものでした。

 しかし、知らず知らずのうちにペースが上がっていたのか、2キロを過ぎたあたりから早くも足に張りを感じ始めました。事前の練習では、4キロくらいまでは痛みもなかっただけに、これには少し動揺しました。
 そこで、少しペースダウンしながら、4キロを過ぎたあたりでスパートをかけることにしたのです。

 4キロ地点を通過して時計を見たとき、既にタイムは25分にさしかかっていました。このまま行くと30分を切ることは難しいと思った私は、徐々に加速していきました。前に走っていたランナーは既に疲れてきていたのか、何人か追い抜くことができました。しかし、私も次第に疲れが出始めてスピードが落ち、ゴールが見えてきたときには、ゴール前の時計は29分37秒を指していました。
 ゴールは見えているけれどあと100メートルほどある、という何とももどかしい思いでしたが、あと少しで目標達成できるかも知れないという思いが、最後の力を与えてくれたと思います。
 その日1番のダッシュでゴールに滑り込みました。
 結果、29分53秒で完走。
 無事目標を達成することができました。

 最後にこれだけスピードが出るならば、もっと前から頑張れたのではないか、とも思いましたが、それでは途中で力尽きてしまっていたかも知れず、ペース配分の難しさや持久力のなさを実感した初マラソンでもありました。

 大会後、色々な方からお祝いの言葉をいただき、完走の喜びをかみしめることができました。同期の友人からは、「正直生きて帰れないのではないかと思っていた」など冷やかされもしましたが、それもいい思い出です。
 惜しむらくは、その数日後に高熱にうなされ、病院に行くとインフルエンザとの診断をいただいてしまいました。
その後の体調管理まで含めてマラソンなのかも知れません。