水回りレスキュー商法姫路訴訟 控訴審も全面勝訴。

 水回りレスキュー商法姫路訴訟の控訴審(大阪高裁第6民事部令和7年(ネ)第1057号)は、令和8年7月29日、判決が言い渡され、商法の被害者である原審原告側(被控訴人側)が全面勝訴しました。
 判断内容は、基本的には原判決の判示を引用していますが、原審被告(控訴人)らの控訴理由に対する判断としての判断を次に掲げておきます。 

 なお、本件と同様に、株式会社町の水道屋受付センター又はその代表取締役であるW氏個人を被告として提起されてきた水回りレスキュー商法に関する集団訴訟についても、併せて報告します。

 神戸訴訟では、令和7年9月16日言渡しの一審判決(神戸地裁第4民事部・令和4年(ワ)315号)において全面勝訴し、被告側の控訴に伴う控訴審でも、令和8年4月24日言渡しの判決(大阪高裁第2民事部・令和7年(ネ)2099号)で全面勝訴が維持され、判決は確定しています。また、名古屋訴訟においても、令和8年4月23日言渡しの一審判決(名古屋地裁民事第5部・令和3年(ワ)1704号、令和4年(ワ)3552号)で全面勝訴し、控訴されずに確定しています。


第4 当裁判所の判断

1 

 当裁判所は、被控訴人らの主位的請求(当審における請求の拡張及び減縮後のもの)はいずれも理由があるから認容すべきであると判断する。その理由は、次のとおり補正し、後記2において共通控訴人らの当審における補充主張に対する判断を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」欄の第3の1から3までに記載のとおりであるから、これを引用する(中略)。

2 共通控訴人らの当審における補充主張に対する判断

(1) 

 共通控訴人らは、控訴人Wらが本件手法の指導・助言をしたものとされる本件グループラインのメッセージは、客単価を上げたり、顧客に追加工事を提案したりする内容であり、営利企業として、ごく当たり前に売上を上げ、追加工事を獲得するための工夫・叱咤激励とも評価し得るものであって、詐欺的・欺まん的手法を指導・助言する内容ではなかったと主張する。

 しかしながら、水回りのトラブル解消のために業者に修理を依頼しようとする者は、急迫した状況にある中で、専門業者に必要な範囲で速やかに作業をしてもらい、それに対する相当な対価を支払うことを意図しているのが通常であると考えられるところ、原判決を引用して認定判断したとおり、本件手法は、水道工事についての知識を有しない一般入の窮地や無知につけこんで、著しく過大な費用を請求するものであって、営業上の工夫、叱咤激励と評価できるようなものではなく、営利企業による利益の追求として社会通念上許容される限度を超え、違法性がある。

(2)

 また、共通控訴人らは、上記メッセージは、原審個別被告らのすべてが見ているわけではなく、そもそも当該メッセージの発信時にはまだ協力業者ではなく、本件グループラインに参加していなかった者もいるから、それらの者による工事について、共通控訴人らに共同不法行為が成立することはない.旨主張する。

 しかしながら、原判決を補正の上引用した認定事実(2)イのとおり、控訴人Wと協力業者との間の接点は本件グループラインのみではなく、経験が少ない者については安定的に単価の高い契約を取つてくる者につかせて研修させることもあったほか、協力業者はコンサルタント料精算にかかる伝票を持参する際など、控訴人Wに会う機会が定期的にあり、その際にも控訴人Wから本件手法の指導・助言を受けることができたことが認められる。
 しかも、協力業者である原審個別被告らと控訴人会社との間の取決めは、顧客から受領した売上金(材料費や交通費を含む)の6割もの金額を控訴人会社に対しコンサルタント料として支払うというものであるから(認定事実(1)イ)、そもそも、協力業者は、残りの4割から材料費などの実費を差し引いてもなお利益を確保できるほど、多額の金員を顧客に請求する必要があったのであり、コンサルタントである控訴人Wは、それを可能とするための方法として、協力業者に本件手法を指導・助言していたものと推認される。そうすると・たとえ被告Wらの本件グループラィン上の上記メッセージ自体を見ていなかったとしても、控訴人会社とコンサルタント業務契約を締結し、実際に控訴人会社の紹介で工事を行った協力業者の中に、控訴人Wから本件手法の指導・助言を受けていない者がいるとは考え難い。したがって、共通控訴人らの上記主張は採用できない。

(3)

 さらに、共通控訴人らは、控訴人Wは原審個別被告らに対し、本件各不法行為を直接具体的に指示しておらず、また個別にその相談・報告等を受けていなかったし、特定の原審個別被告らが本件不法行為をすることを認識・認容していたとはいえないと主張する。

 しかしながら、控訴人Wが紹介した工事について協力業者から速やかな報告を求め(報告が遅れると罰金を課すなどしていた。甲86p515等)、伝票も要求するなどして(原判決補正後の認定事実(2)イ)、その内容と単価について本件グループライン上でコメントずるなどしていたから(認定事実(2)ア)、被告Wは、原審個別被告らが顧客に対し、本件手法により、一般的な相場に比して著しく過大な費用を請求していることを認識し、またそれを積極的に認容していたものと優に認められる。したがって、共通控訴人らの上記主張は採用できない。

3 

 以上によれば、その余の点について判断するまでもなく、被控訴人らの主位的請求(当審における請求の拡張及び減縮後のもの)はいずれも理由がある。
 よって、控訴人らの本件控訴をいずれも棄却するとともに、被控訴人ら(中略)の附帯控訴に基づき主文第2項のとおり原判決を変更し、請求の減縮により原判決の内容が変更された部分を明確にすることとして、主文のとおり判決する(中略)。

大阪高等裁判所第6民事部
裁判長裁判官 川畑 正文 裁判官 岡田さなゑ 裁判官 炭村  啓