兵庫県たつの市教委が19年前の児童の自殺を教師の体罰が原因と認めて謝罪。

 昨日(2013年3月21日)の報道で知りました。
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130321/waf13032123390030-n1.htm

 記事には,次のようにあります。

 19年前の小学生の自殺を、教諭の体罰が原因だったと認め、両親に謝罪した兵庫県たつの市教育委員会が21日、同市で記者会見し「長い年月がかかり申し訳なかった」と謝罪した。
 苅尾昌典教育長は両親が起こした民事訴訟の判決で、自殺と体罰との因果関係が認定されたため「控訴を断念した平成12年の段階で、市教委も体罰が原因という認識だった」と釈明した。
 小中高生の自殺件数をまとめている文部科学省への報告を「訂正することができると最近になって知り、当時『原因不明の事故死』と報告していたが自殺と訂正した」と説明した。

 

 この事件は,私の関与した弁護団事件の中でももっとも心に残っている(残り続けている)事件の一つです。
 今朝,児童のお父さんがテレビの取材に応じて語っているのを見ました。

  • (息子さんの死を)まだ自分の中でうまく整理できていない。
  •  教育委員会が,体罰と自殺との関係を認めたのは,今日(2013年3月21日)がはじめてだ。
  •  体罰と自殺の関係を認め,謝罪したことは,いいことである。
  •  これまでは,遺族受難の時代だった。今は学校受難の時代(かもしれないが),これからは対話の時代が始まる。本当にどうしなければならないか,同じ目標に向かって一緒に考えていく。そういう対話の時代。

 思い切りうなずきながら,お父さんの話を聞きました。
 たつの市教育委員会は,今この段階で,あえて,文部省に事実認識を訂正するという行動をし,それをマスコミに公表し,さらにご遺族に謝罪する行動をしました。勇気のある行動であったと思いますし,正しい行動だったと思います。たつの市教育委員会とご遺族とは,ようやく,対話の時代が始まったと思います。
 このたつの市の教育者の行動が,各地の学校,教育委員会に属する教師の,前向きで明るく正しく勇気ある行動を促すきっかけになれば,さらにすばらしいことだと思います。