優良誤認表示・有利誤認表示に直罰規定新設(景品表示法)

 レスキュー商法(緊急屋商法)でぼったくりをする悪質業者は、人々が、トイレなどの水回りトラブルや、害虫・害獣のトラブル、鍵のトラブルなどの、くらしの緊急時に、スマホなどを検索して業者を呼ぼうとするのを悪用し、実際に顧客にふっかけようとする金額とは、全く異なる低廉な金額で、しかもプロの業者によるしっかりとした安心安全なトラブル解消作業がしてもらえる旨の、有利誤認・優良誤認の広告がなされ、巧みに、その広告に表示された番号に電話するように仕向けられます。
 令和5年の景表法改正*では、こうした優良誤認表示・有利誤認表示に対し、直罰規定が新設されました(48条)。
 今後、優良・有利誤認表示行為をした場合、100万円以下の罰金の対象となります。
 なお、指定告示に係る表示は、直罰対象ではありません。また、法人の両罰規定も新設されました(49条)。

 * 不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律(令和5年法* 不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律(令和5年法律第27号)は令和5年5月10日に成立。同月17日公布
    施行日は、原則として、公布の日から1年6ヶ月を超えない範囲内において政令で定める日からです。
   

第48条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、百万円以下の罰金に処する。
一 自己の供給する商品又は役務の取引における当該商品又は役務の品質、規格その他の内容について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると一般消費者を誤認させるような表示をしたとき。
二 自己の供給する商品又は役務の取引における当該商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者を誤認させるような表示をしたとき。

第49条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、当該各号に定める罰金刑を科する。
一 第四十六条第一項 三億円以下の罰金刑
二 前二条      各本条の罰金刑 
2法人でない団体の代表者、管理人、代理人、使用人その他の従業者がその団体の業務又は財産に関して、前項各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その団体に対しても、当該各号に定める罰金刑を科する。

 

第211回国会 衆議院 令和5年4月11日消費者問題特別委員会委員会

真渕政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の法律案の成立後におきましては、下位法令ですとか、新たに導入する確約手続に関する運用基準を策定する必要があります。また、直罰の導入を含め、改正内容の周知に十分な期間を必要とするため、一年六か月という期間を設けているところでございます。